My Guitar Heroes ― 僕のギター・ヒーローたち

Nokie Edwards / Terry Terauchi
ノーキー・エドワーズ / 寺内タケシ

なんと言っても、僕のギターはこの2人なくしては語れない! とくに、『ベンチャーズ』のリード・ギタリストであったノーキーさんは、僕が小学6年生の時にギターを始めるきっかけになった人だけに、ある意味「恩人」と呼べますし、決して忘れることのできない方です。

♪ The Ventures - Wipe Out

一方、寺内さん(『ブルージーンズ』、『バニーズ』などのリードギタリスト)のほうは、“日本版ノーキーさん”と言っても差し支えないと思いますが、クラシックから民謡まで様々な曲を‘エレキ’で奏でる日本のギターの神様。僕は、ご両人の「♪テケテケ」に本当にハマりました。思えば、ギターが好きになったのは、この偉大な2人のお陰ですので、もう感謝、感謝の気持ちしかありません!

♪ 寺内タケシとブルージーンズ - 津軽じょんがら節

Mark Farner / Ritchie Blackmore /
Jimmy Page

マーク・ファーナー / リッチ・ブラックモア / ジミー・ペイジ

それぞれ、言わずと知れた『グランド・ファンク・レイルロード』、『ディープ・パープル』、『レッド・ツェッペリン』のリード・ギタリスト。とにかく、僕は文句なしに彼らのギターが好きでしたし、今でもその魂は僕の中で熱く息づいています。70年代のロックはギター中心で、ギターのフレーズに絡んで歌が入ってくるというパターンが多かったこともハマった理由の1つかもしれません。当時のロックは骨太で、しかも分かりやすくて、そして血が沸き立つほど刺激的な音楽だったように思います。そんな時代をリアル・タイムに生き抜くことができた僕は、つくづく幸せだと思いますねぇ。

♪ Grand Funk Railroad - Are You Ready

♪ Deep Purple - Black Night

♪ Led Zeppelin - Communication Breakdown

Joe Pass / Tuck Andress
ジョー・パス / タック・アンドレス

故ジョー・パスは、僕が最も尊敬するジャズ・ギタリストです。音楽理論もろもろ正式に学んだことがない僕にとって、“耳コピ”の対象として無謀としか言えない挑戦でしたが、氏のCDを聴き取りつつ学んだ奏法・技法の恩恵は計り知れません。とくに、「コード・メロディー」。単音弾きではなく、3音くらいの和音(氏は「スモール・コード」と呼んでいた)やジャズ・コードを駆使して旋律を築いていくやり方に夢中になりました。そんな中、ある曲を耳コピするのに6ヶ月もかかったこともありましたが、やればやるほどコード・メロディーの奥深さとか、ジャズ・スタンダードの普遍性や美しさが見えてきて、ますますソロ・ジャズギターに魅了されていったのです。振り返れば、今の僕のソロギター音楽の骨格にあたる部分は、この時期に鍛えられたように思います。そういう意味でも、氏のギター音楽に出会えた「運命」に感謝せずにはいられません!

♪ Joe Pass - Satin Doll

さて、一方のタック・アンドレス(『タック&パティー』のギタリスト)もジャズ畑の人ですが、ジャズとファンクを見事に融合させた独特な奏法で、まさに“ワン&オンリー”な存在。僕が知る限り、氏によるソロギター・アルバムは2枚だけだと思いますが、タック&パティーのCDには必ずと言っていいほどインスト曲が収録されていますので、ギター・マニアの人たち以外でも、氏のソロギターの妙技はお馴染みではないかと思います。この方の演奏のキーワードは、「スイング」と「グルーヴ」、そして、クールな感じの「ボイシング」(和音の作り方)です。加えて、それぞれが表裏をなして、うまく支えあって演奏されていますので、結果はもう神業と言うしかない! 本当に、すばらしいです。

♪ Tuck Andress - Europa

ちょっとしたエピソード

昔の話になりますが、じつは、僕は数十年前にノーキー・エドワーズさんと東京のとあるお店で遭遇したことがあるのです。当時、そのお店のマスターと懇意にしていただいていて、偶然、ノーキーさんが立ち寄られたということで、マスターが僕に電話をくれたので飛んで行ったのです。が、“ヒーロー”を前にした僕は「蛇に睨まれた蛙」状態になってしまい(笑)、結局、声をかけることさえできず、ボーっとした時間を過ごしてしまったのです…。

1st Album "Treadin' Easy"そして、それから何年か後(オーストラリアへ移住してから)、僕のファーストCDを聴いてもらうべく、メールでノーキーさんに連絡をとって、その夜のことを書いたんです。そしたら、奥様から返事が来て、「もし、そのとき私が側にいたら、引きずってでもノーキーに紹介したのに!」というお言葉と共に、僕のCDに対するノーキーさんからの嬉しい内容のコメントまで届けてくださいました。それを読むにつけ、僕が狂喜乱舞したのは言うまでもありませんが、小学6年生のときに出会った“ヒーロー”と、こんな形で接触できたということは、今考えても「人生、どう転ぶかわからんなぁ」と思わざるをえません!

以下、記念すべき、そのノーキーさんからのメッセージを載せておきますね。

Hello Masa,

I'm glad I was an inspiration to you. It is musicians and fans like you that keep me writing and playing my music. I think you did a nice job on your CD and you play very well. Thank you for sending your CD to me.

Best regards,

Nokie Edwards.

When I was in Grade Six, The Ventures were all the rage and I got hooked on their music the minute after hearing them for the first time. They were the spark that ignited my passion for guitar music. After that I went into hard rock (Deep purple, Led Zeppelin, Grand Funk Railroad…). And after that comes countless guitar players who have influenced me in so many ways, but a couple of names deserve to be mentioned here.

I've learned a lot listening to Joe Pass solo albums and have the utmost respect for him. Every time I sit down with my guitar and try to copy his songs (to learn his moves and so on), I feel like a mosquito attacking an elephant! He was truly a giant. I forever regret never having seen him play live.

When I first listened to Tuck Andress' solo album "Reckless Precision", I was stunned into silence by his funky and percussive yet warm touch. I simply can't get over the way he plays! To find out how he goes about his business, I got his tuition video "Fingerstyle Mastery" which helped me with various techniques I wasn't too sure about. He's a very innovative player as well as a great teacher. Hope he puts out his next solo album soon. I couldn't believe it when a player of such caliber said the following about my first album; "your playing and recording is stunning! Congratulations. It is very inspiring to listen to."