レコーディング記 (4)

四日目は、「Ten to One」というフィンガーピッキング系の曲で始まり。この作品は、15の収録曲の中で一番最後に作ったものです。チューニングは、”That Feeling of Love”とか”Desire”で使っているDADFCE。これは、クールな感じでマイナー系に強いチューニングですが、なぜか、これまでメジャー系の曲はできていなかったんですよね。ので、今回、意識的に作ってみました。結果は・・・グ~っ!(笑)。次は、さわやか系の「Blue Water」に挑戦。はずんだ感じのリズムですが、すごく“ノリ”が大切な1曲です。そして、今日の最後は「Escape」というアップテンポの作品。タイトル通り、途中で逃げ出したくなりましたが、無事に録音終了! よかった~。

毎回思うことですが、録音ブースに入って一人で戦う孤独な時間―1曲にしてせいぜい4分前後―の間に様々な感情が頭の中をめぐり、神様に自分を試されているような気分になる瞬間があるんですよね。しかも、たった3分くらいの曲でも、すごく長い旅のような感覚にもなったりします。ライヴだと、右から左へとさっさと音が消えていくんですが(間違えても!)、録音となると、微妙なチューニングのことから弦のびびり音、椅子がきしむ音、息づかいの音まで綺麗な音を通して丸裸状態になってバレバレになります。だから細心の注意を払いながら演奏することになるんですが(ライヴで手を抜いているという意味ではなく)、それでもやっぱり今の自分を超えた演奏にはならないんですよね。まぁ、当たり前か~。でも、「良い演奏をしたい、残したい」という純粋な気持ちは日々強くなるんですよね。

いや~、まだまだ勉強することは多いですねぇ。

つづく。

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