レコーディング記・完結編 (7)

最終日の今日(11/18)は、午前中に撮影のつづき、そして夕方の4時からマスタリング。で、撮影場所は兵庫県にある、なんと、ブティック! 女性専用みたいでしたが、ひさしくこういうお店に入ってなかったので妙な感じでした。でも、店内はすごくオ・シャ・レで、僕にぴったり(笑)。さっそく着替えて、お客さまが来られる前にすまそうということで、作業に突入。鏡の前とか、レジの前とか(ワインレッドのカーテンがグー!)でバチバチ撮る。カメラがデジなのですぐ見れるのですが、なかなかええ感じでしたよ、自分で言うのもなんですが。まだ、どの画像がジャケットに使われるのか知りませんが、今回は写真を多めに使ってもらえそうです。お楽しみに!

さて、4時からはスタジオに戻って最後の作業のマスタリング。この時点で曲順を決めておかないといけないのですが、最後の最後で2~3曲の順番を入れ替えることにしました。あと、全体の音量のバランスを決めたり、音質を調整したり、曲間の長さを決めたりするわけですが、こと曲間の長さに関しては、僕がこだわるだけで、おそらくリスナーには影響がないものかもしれませんね。でも、こだわりたいんですよね、ここまで。で、作業が終わったのが9時過ぎ。この後、陣中見舞いに来てくれていたドルフィンの武田社長と食事へ。話題は、やっぱりギター業界、音楽界のこと。昨今の就職難とかCD売り上げの落ち込み、ライヴ入場者数の激減などなど、僕らにとって辛い側面があるわけですが、ここでも「頑張るしかなし!」で結論。でも、ほんま、この先どうなるんやろ・・・

以下、最終の曲順です。ご参考まで。発売はSlice of Life Recordsより、2011年2月3日の予定です。54分11秒に凝縮された“今の僕のすべて”を、ぜひ体感してください。乞うご期待!

BELIEVE IN ME / Masa Sumide  

1 Nightfall
2 Alive and Kickin’
3 Maiko-han Boogie
4 Ten to One
5 Swing Time
6 Believe in Me
7 Happy Ending
8 Sunny Afternoon
9 Love Dance
10 Autumn
11 Escape
12 Spice!
13 Dreaming of You
14 Blue Water
15 Gentle Rain     

レコーディング記 (6)

昨日で無事に全曲録音が終了したので、今日はジャケットの撮影に集中できる。僕の場合、レコーディング中、かならず「予備日」を設けることにしています。万が一、録りこぼす曲があったり、体調の理由などでうまく行かなかった曲などをやり直すことができるからです。精神的にも余裕が持ててラクですし。でも、今回はこの時間を使うことなく、僕の演奏部分は完了。よかった、よかった~!

ジャケットのアイデアは僕なりに1つ2つあったのですが、今回は「お酒の匂い、夜の香り」があってもいいのではないかということで、まずは、梅田にあるバーで撮影することに。これまでスタジオで撮ることが多かったので新鮮でしたねぇ。カウンターやらテーブル席で色んなポーズをきめてみましたが、これが、けっこう疲れる~。自然な感じが一番いいんでしょうが、どうしても不自然な表情になってしまう・・・まぁ、被写体が悪いからしょうがないか(笑)。

higashi-st終了後は、このお店で飲食を楽しみました。冬になってもビールはう・ま・い! 画像は、帰り道に通った東通り商店街での一枚ですが、コテコテのネオンの明かりに「おにいちゃん、こっちこっち」と引きずられる思いでした! しばし、“ジス・イズ・オーサカ”の絵ずらを楽しみながら商店街を散策し、その後ホテルに戻りました。

明日は最後の作業のマスタリング。その前に、午前中に別の場所で撮影もある。長い一日になりそう・・・

つづく。         

レコーディング記 (5)

うまくいけば今日(11/16)で僕の作業は終了予定。明日は予備日兼ジャケット撮影日。そして、明後日はマスタリングを経て完成! ということで、今日でスパッと終えるためにも、気合を入れて一曲目の「Swing Time」からスタート。僕の場合、録音の仕方としては、まず曲のテンポを決めるのと、その曲にス~っと入っていけるように、一度、練習します。これは最後まで演奏する場合がありますし、途中で「よし、これでいける」と思って止めて、始めに戻ってそこから録音スタートする場合もあります。どちらにしても、昨日書いたように、できるだけ演奏回数を上げたくないので、新鮮なうちに録り終えるのが目標となります。

二曲目は「Believe in Me」。これは今回のアルバムのタイトル曲でもあります。曲調はマイナー系でジャズっぽく、大人っぽいと言えばいいのかな。シンプルな作品ですが、けっこう好きな1曲です。そして、いよいよ15曲目、最後の曲ですが、じつは、これが一番難易度の高い曲なんですよね。タイトルは「Maiko-han Boogie」。そう、“♪舞妓はんブギー”です! 最後に持ってきた理由は、万が一ハマっても、このあとに控える曲がないので気がラクなんですよね。でも、それなりの不安感はないわけではありませんが・・・で、予想どおり、苦労しました(笑)。どこが難しいかというと、メインのメロ部分(ブギーの典型的な感じ)を右手の人差し指の爪をピックのように使って弾いているからなんです。そして、その後、4~5和音のメロに瞬時に移動しないといけないし。プラス、テンポが速いんです! いや~、難儀な曲を作ってしまったもんです。でも、うまく弾ければ、ライヴでも気に入ってもらえそうな予感です。

yubiよかった~、無事終了! なんなんやろ、この達成感・・・今回は、いつもより「やりきった感」がありますねぇ。もちろん、完璧ではないのですが(だから頑張る!)、準備期間を入れて長い間たずさわってきたわけですから、この日を無事に迎えることができたことは嬉しいのひと言です。指はもちろんのこと、肩、腰もろもろ痛いです。画像を見てもらったらわかると思いますが、とくに指はかわいそうなくらいです。「ありがとう!」と言いたいですね、自分の指ですが(笑)。       

レコーディング記 (4)

四日目は、「Ten to One」というフィンガーピッキング系の曲で始まり。この作品は、15の収録曲の中で一番最後に作ったものです。チューニングは、”That Feeling of Love”とか”Desire”で使っているDADFCE。これは、クールな感じでマイナー系に強いチューニングですが、なぜか、これまでメジャー系の曲はできていなかったんですよね。ので、今回、意識的に作ってみました。結果は・・・グ~っ!(笑)。次は、さわやか系の「Blue Water」に挑戦。はずんだ感じのリズムですが、すごく“ノリ”が大切な1曲です。そして、今日の最後は「Escape」というアップテンポの作品。タイトル通り、途中で逃げ出したくなりましたが、無事に録音終了! よかった~。

毎回思うことですが、録音ブースに入って一人で戦う孤独な時間―1曲にしてせいぜい4分前後―の間に様々な感情が頭の中をめぐり、神様に自分を試されているような気分になる瞬間があるんですよね。しかも、たった3分くらいの曲でも、すごく長い旅のような感覚にもなったりします。ライヴだと、右から左へとさっさと音が消えていくんですが(間違えても!)、録音となると、微妙なチューニングのことから弦のびびり音、椅子がきしむ音、息づかいの音まで綺麗な音を通して丸裸状態になってバレバレになります。だから細心の注意を払いながら演奏することになるんですが(ライヴで手を抜いているという意味ではなく)、それでもやっぱり今の自分を超えた演奏にはならないんですよね。まぁ、当たり前か~。でも、「良い演奏をしたい、残したい」という純粋な気持ちは日々強くなるんですよね。

いや~、まだまだ勉強することは多いですねぇ。

つづく。

レコーディング記 (3)

レコーディング3日目ともなれば、もう、生活・作業のリズムができあがっているので、“のったまま”の感覚でいけそう。だいたい、就寝、起床時間とも同じサイクルになってきたし。ので、今日はアップテンポの曲からスタート。曲名は「Spice!」。これは、昨年のインド・ツアーのときに作ったものですが、“山椒は小粒でもぴりりと辛い”的な作品を目指しました。ただ、アップテンポの曲でハマると辛いので、できるだけ3テークくらいを目標に作業を進めました。「ハマる」とは、何回テークをくり返しても途中でミスって、やればやるほど悪くなるパターンのこと。これに陥ると辛いどころの話しではありません! それこそ逃げ出したくなります(笑)。

で、無事に逃げ出すこともなく2曲目へ。次は、ライヴでお披露目したときに気に入ってもらった「Gentle Rain」。自分で言うのもなんですが、大人っぽい感じで、自分でも好きな曲のひとつです。そして、最後に録音したのが「Love Dance」というサンバ。タイトルは怪しいかもしれませんが、メロディーはもっと怪しいです(笑)。

今日(11/14)は日曜日ということもあり、なんと、京都から『プー横丁』のプーさんが陣中見舞いをかねて顔を出してくださいました。お土産にいただいた茶菓子がおいしかったなぁ。お茶とめっちゃ合うし~。ええブレークとなりました。そして終了後、夕食を一緒にすることに。話題は、この新譜のことはもちろん、ギター音楽全般のはなし。一般的にCDが売れないとか、ライヴの動員が減っているとか、今後、CDすらなくなるのでは、というネガティヴな話題に終始してしまいましたが(事実なのでしょうがない)、僕等はやり続けることで突破していくしかないわけで、とにかく良い作品、良いステージを作っていくしかなし(!)、という結論で散会。

つづく。

レコーディング記 (2)

二日目は、初日がとくに問題なく終了したこともあり、スタート曲はさわやかな作品でいくことに。まずは、弦を換える。ちなみに、僕の場合、弦は一曲ごとに換えることにしているんですよ。最近の弦は長持ちするので、そのまま何曲かはいけるのですが、僕は換えたてのキラキラ感が好きなのと、CDとして永く残る音源として、やっぱり各曲とも新しい弦、新しい気分で演奏したい(!)という思いが強いからなんですよね。今回は、全部で15セット使いきりました!

で、一曲目のタイトルは、「Sunny Afternoon」。たまにはボ~っとするのも必要では(?)という気分で作った曲です。季節で言うと、やっぱり「春」かなぁ。そして、「Happy Ending」という明るめのアップテンポのボサノバ系の曲、「Autumn」というバラードを録音して本日の作業終了。だいたい昨日と同じくらいの終了時間でした。

僕の場合、一曲にかける時間は一時間を目処にしています。プレーバックを聴きながら進行しますので、やっぱり、これくらいはかかりますね。もちろん、必要な場合はもう少し時間をかけますが、ことレコーディングに関しては、かけた時間とその曲の質は比例しないんですよね。皮肉なことですが。ので、毎回言っているように、「やめ時」を見極めることが非常に重要なんです。というのは、ある演奏回数を超えたあたりから判断(+集中力)が鈍るのと、自分が気になる箇所のみにしか神経が行かなくなるからなんです。いわゆる、森を見ないで木ばかり見てしまう・・・という感じ。

つづく。

レコーディング記 (1)

music well studioなんに関しても「初日」というのは、その後の流れを決めるという意味で大切。ので、一曲目をどの作品でいくかは、事前に決めていました。今回のCDのキーワードは「ポップ&アダルト」ですので、スローなブルースナンバーの「Nightfall」を選択。とは言え、午後一時過ぎにブルースモードに入るのはけっこうツラかった~(笑)。続いて、ファンキーな曲「Alive and Kickin’」、そしてバラードの「Dreaming of You」を無事に録音して初日終了。翌日以降も13:00スタート、3曲録音のペースで進行・・・製作のリズム、生活のリズム、すべてが良い方向に動くように規則的な流れを作ることは大切なんですよね。あと、一日の3曲のペース配分というか、曲調の組み合わせ。ハードな曲が続かないようにとか、スローな曲に偏らないとか。これは、指にかかる負担を考えてのこと。それでなくても、ライヴとちがって、レコーディングならではのプレッシャーがかかるので(力が入りまくり!)、なおさらのことです。

この日の夜は、CDのジャケット関係の打ち合わせもやりました。さて、どんな感じになるのかな・・・

つづく。

レコーディング終了!

12日からスタートしたニューCDの録音ですが、昨夜、無事に終了いたしました! いや~、指も痛いし、肩も腰も痛いし、かなり疲れてますが、その甲斐あって、“ええもん”ができたと思ってます。しばらくはボ~っとする時間が必要なくらい集中した一週間でした。孤独で、しかも肉体的、精神的にもツライ作業ではあるんですが、その分、達成感は格別です!

追って、レコーディングの話しなど書いていきますが、まずは、↓のライヴが急遽決定しましたので、取り急ぎお知らせしておきますね。なにかと忙しい年末の時期ですが、一年の締めくくりとして楽しいライヴ&パーティーにしたいと思いますので、ぜひぜひ、ご参加ください。よろしくお願いいたします!

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12月23日(木・祝日):5th Street(大阪・吹田)
~今年もありがとう&忘年会ライヴ!~
スペシャル・ゲスト:いちむら まさき
スペシャル・ゲスト:? 

前売り:3,000円 当日:3,500円(要1ドリンクオーダー)
開場:16:00 開演:17:00
ご予約・お問合せ先:(06) 6386-9114
ホームページ: www.5th-street.com(メール予約可)
ライヴ後のパーティー参加費:2,000円(ドリンク代別)

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※お二人のスペシャル・ゲストを迎えての、まさにパーティーです! お手数ですが、ライヴ後の忘年会に参加される方は「12月20日まで」にその旨を会場までお知らせ願います。

待ってまっせ~!

Slice of Life Records

これは、僕やら他のソロギタリストがすごくお世話になっている『プー横丁』さんのところの出版レーベルの名前です。じつは、僕の新譜(2011年2月3日発売予定)はここでお世話になるんですよ! プーさんは、世界各国から届くレアな音源やら、ソロギター音楽の大きな大きなサポーター&理解者でもあるわけですが、そこから僕の音楽が発信できるということは、ほんとうに有難いことだと思っています。先日、プーさんと電話で話したとき、プーさんから「夢の中で住出さんの新譜がめっちゃ売れてるシーンを見た!」と聞いて(笑)、レコーディングを前にうまい激励の仕方やなぁと思いましたが、じっさいに、そういう夢を見られたそうです! いや~、“ほんまの話し”になって欲しいなぁ・・・。

レコーディング初日はすぐそこ。よし、今日も気合入れて練習するで~! ええもん作るからねっ!      

やっぱりいいステイシー・ケント!

疲れたとき、気分転換には『ステイシー・ケント』の歌声が最高! なんか限りなく癒されます。フ~っと身体の力が抜けていく感じ。つい最近も「コレクション3」を買って聴いていますが、波長が合うんですよね、僕と彼女・・・って、勝手に“彼女”になってますが(笑)。声がたまらん(!)と、過去、何回かこのブログで書いてますが、めっちゃキュート&セクシーで、すごい和むんですよね。聴いてて「音楽ってええなぁ」と素直に思えますし、彼女の音楽にめぐり合えたことに感謝やね!