【60歳の誕生日に寄せて】

皆さま、本日、お蔭さまで「還暦」を迎えることができました。若い頃は、自分が60歳になるなんて、遠い遠い先のこととして、想像すらできませんでしたが、今ふり返れば、走るように時間が過ぎ去ったように感じます。

今の心境ですが、59歳だった昨夜から、なんら変わりはありません(笑)。が、ここまで生きてこれたこと、そして、大好きなことを職業として活動できていることに感謝の気持ちで一杯です。と言っても、1人でここまで来れたわけではなく、長い間、多くの皆さまに支えられ、助けられ、そして生かされてきたからこそと、改めて人生をリセットする節目にあたり、身に沁みて感じております。

正直なところ、人生の晩秋にさしかかったことを思えば、あと何年「現役」でいられるか分かりません。諸先輩から見れば、まだ若輩者ですが、僕より若い人たちが志し半ばで、悲しくもこの夜を去ってゆく現実を思えば、今後は、体調管理と時間管理がより大切になってくるのは明らかですし、これまで以上に、一日、一日、1本、1本のライヴ、そして1枚、1枚のCD制作が重要になってきます。同時に、皆さまの心の奥底に「何かしら自分の印を刻みたい」という想いと、「できる内に、やりたいことを実現したい」という欲望も強くなってきております。

僕は、桜の花に憧れます。綺麗に咲いて、綺麗に散っていく・・・そんな純粋な流動に、美意識を強く刺激されます。自分の音楽人生も、桜にあやかり、美しく咲いて、美しく散る―そういう輝き方ができれば、と願っております。

ですが、未熟な僕は、まだ「つぼみ」のままです。いつの日か煌びやかに開花するためにも、さらに努力し、精進していかねばなりません。一意専心の気持ちを忘れずに・・・。

僕の「ギター人生・第二章」、引き続き、温かく見守っていただければ幸いです。

住出勝則(Masa Sumide)