【ソロギター演奏時の脱力について】

今回は、僕にとって永遠の課題である「脱力」について書きます。まず、ここでの「脱力」の定義ですが、「ほどよく筋肉がリラックスして5本の指が連動して動き、なおかつ、自分で思うようにコントロールできる状態」としておきます。こう書くのは簡単ですが、そういう状態に1曲目からもっていくのは至難の業のように感じます。クラシックのギタリストやピアニストの演奏をテレビで見る度に思うことですが、いきなり超難解な作品をさらっと弾けてしまう、あの技術とメンタル面には尊敬の念以外にありませんし、ただただ感心するばかりです。

で、もちろん、両手の脱力ということなのですが、僕は、とくにピッキングをするほうの「右手」にいつも苦労します。これは、本番前の緊張の度合い(ガチガチ感?)と密接に関係していると思いますが、この点も野球の先発投手の立ち上がりに似ていますよね。よく、解説者が「初回さえうまく切り抜ければ・・・」と言われるのを聞きます。基本的には、ソロギタリストも同じだと思いますね。オープニングから2曲目くらいまでスムースに行ければ・・・という感じ。

で、どうするかという解決策ですが、残念ながら「これ」という答えは持ち合わせていません。あるとすれば、とにかく本番前の緊張感を和らげることと、深呼吸して気持ちを落ち着かせる、くらいでしょうか。それと、選曲に関して、最初の1~2曲は、自分でスムースに入れる(ペースをつかめる)ものを演奏するとか。でも、いつも同じ曲ばかりだと飽きてしまいますし、新鮮味もありませんので、そのあたりも課題となりますね。もう1つ、本番ギリギリまでギターを弾いて指をなじませておく、など。ので、僕は本番までの間、ステージ上にギターを置いておくことはしません。というか、ギターが近くにないと不安になるので、できません(笑)。おまけに、いつも本番5分前くらいに急に緊張したりする傾向にありますので、そのタイミングで訪ねて来る人やゲストの人などに会うこともありません。自分では「魔の5分前」と呼んでいます(笑)。おそらく、表情も厳しくなっているかもしれませんね。

アーティストも十人十色ですので、「いや、まったく緊張しない」と言われる方もいらっしゃるでしょう。とくに、年間100本以上の場数をふんでいるような人は、そうかもしれませんね。が、逆に、本数が多いゆえに新たな課題も出てくるかもしれませんよね。緊張感や新鮮味を保てるかどうか、どうやって保つか、等々。いずれにしても、そんなタフなアーティストの方々に、脱力に関して良い方法があればご教示願いたいものです。