ドイツ・ツアー記 (8)

11月17日(月)】今日はベルリンへ移動&コンサート。ホテルを10:30に出発。ハレの天気は快晴。久しぶりに青空が見える。気分がいい。13:00頃、現地のホテル到着。ベルリンといっても、市内ではなく、Spandauという郊外。ベルリンの壁の跡を見たかったけど、疲れているスタッフに「連れてって~」とはとても言えなかった。まぁ、仕事で来たわけやから、しょうがないかぁ・・・残念。

チェックイン後、徒歩でランチへ。ここの街並みもいい感じ。トルコ料理に舌鼓を打つ。ラム肉をミンチにして竹輪みたいにして焼いたものを注文。辛くておいしかった! この後、全員で散策。いい気分転換になる。ホテルで一休みして、会場へ移動。古いレンガ作りの建物でクールな感じだけど、客席の配置が、右、正面、左と3ヶ所に分かれていた。ので、本番はすべての方向にお辞儀することに。今夜はPAが入っていたけど、客席の配置の関係で、手持ちのものを足した。リハは順調だったけど、なんと、僕の出番のときにPAトラブル発生!? ノイズとともに、音が出なくなる・・・担当者は必至で直していたけど、結局、ケーブルが悪かったらしい。でも、逆に、このお陰で(?)いい感じでスタートが切れた。ハッピー・アクシデントだったかな。会場は満員。そうそう、ライヴ終了後、台湾からの留学生という男性が、興奮して尋ねてきてくれました。♪Satoriの大ファンらしく、一緒に写真を撮っているときも興奮していた様子。こんなに遠いところで同胞のアジア人のファンの人に会えるとは嬉しいこと。話は前後しますが、これまでのライブで、他にアジアの人が来てくれたのは、マグデブルグでの日本人ひとりで、あとは100%現地の人たちだったと思います。

ホテルへ戻り、全員でビールで乾杯。でも、どこもレストランが開いていないということで、今夜も夕食抜き・・・あ~、不規則や~。あとちょっと、身体よ持ってくれ~。

11月18日(火)】今日はツアーでの一番の長旅で、Ludwigshafenという所へ。9:00前に出発。イヴギニーとヴェロニクのクラシック組みとは今日が最後。明日からは別のグループが合流予定。途中、昔、旧東ドイツと西ドイツの国境だったというところにあるドライブインでランチ。なんと、ピーターは数十年前、そこで8時間も拘束されたことがあるらしい・・・ロールキャベツ風(あくまでも!)のものを注文したけど、見事にハズした。もう、食べ物に関しては、あきらめ気味。あと、ちょっとの辛抱! 16:20頃、現地のホテル到着。そして、チェックイン後、17:00に会場へ出発。

今夜の会場は丸い作りの現代風教会。反響音は思ったほど悪くなかった。イヴギニーとヴェロニクとはこれまで一緒に旅をしてきた仲だから、本番は色々な想いをかみ締めながら進行。いい感じで終了。終了後、楽屋では「ハグ・ハグ」の連続で、別れを惜しむ。

ピーターから、「土曜日のライヴ(Speyer)が急にキャンセルになった」とうことを聞かされる。15年も続いているこのシリーズで初めてのことらしい。彼は首をかしげていたけど、まぁ、しょうがないという感じでした。が、僕としては、申し訳なかったけど、「あっ、休める~!」ということで、ある意味、この知らせは歓迎でした。それほど、移動・ライヴ・移動・ライヴ+不規則な食事・寝不足の連続で疲れていたのでした。

【11月19日(水)】 ホテルを11:00に出発。次の公演地であるWormsへ移動。ものの40分ほどでホテルに到着。チェックイン後、近くのイタリアン・レストランでランチ。抜群においしかった~! ちょっと生き返った感じ。この後、ひとりで散策。小さい街だけど、すごく味のある感じで気に入った。すでにクリスマス・マーケットの準備が着々と進行中で、「もう、そんな時期になったのかぁ」と、時の経つ速さに驚く。

今日の会場は、ホテルの地下にあるシアターなので、なんとも便利。しかも、PAもある。17:00まで、しばし休憩。部屋で、昨日割れた右手中指の爪の修理をする。アクリルパウダーを使ってやるのですが、なかなか上手くできない。試行錯誤のすえ、なんとか弾ける状態になったのでホッとする。ピックを使わないギタリストにとって爪は命だから。

会場に入ると、今日から参加するデュオの『ダークス&ヴィルツ』(ドレスデン出身)が来ていた。すごく感じのいい若手の二人だ。リハを見たけど、久しぶりにタイトとなデュオを目の当たりにした。そして、ギター2本のアンサンブル(+アレンジ)が絶妙というか、うまい! ただただ感心してしまった。音的には、タンゴ、スパニッシュ系なんだろうけど、それに今風の味付けが入って、なんとも言えない心地よさがある。さっそくプー横丁さんに紹介しないと(!)と思った次第。

今夜から、一部、二部とも自分の出番が終わったら、そのまま引っ込んでもよい構成に変わったので、少し肉体的&精神的に負担が減る。セッションも、デュオの二人の切れ味がいいので、楽しかった~! 客席は6割りくらいの入りだったけど、アンコールは2回きたし、喜んでもらえたと思う。ライヴ後、ホテルの近くのイタリア・レストラン(開いてた!)で食事。うまかったっ!

つづく