カバー曲の効用

僕は、これまで何曲も有名・無名(和・洋)を問わず、他者の作品をアレンジして演奏してきました。まぁ、ほとんどが僕の心の琴線に引っかかったものとか、何かしら思い出に残る作品なのですが、最近はそんなカバー曲が自分にもたらしてくれる効用みたいなものを感じずにはいられないんです。まず、素晴らしい曲というのは、自ずとアレンジを導いてくれたりするものなのですが(メロディーがメロディーを呼ぶ?)、それ以上に、自分には無いアイデアとかヒントとかの創造的刺激を与えてくれて、それ以降の曲作りに貢献してくれるんですよね。もちろん、その曲を「真似る」とかそういう次元の話ではなく、例えば、ともするとマンネリ化している自分のアプローチなどに対して違った角度からの視点に気付かせてくれる、というようなことかな。また、カバー曲をアレンジする段階で、自分自身の想像力の引き出しの数が少ないことにも気付かされるわけですが、逆に、普段とは違って大胆になれるという点があるのもカバー曲の効用と呼べるかもしれませんね。いわば、普段は絶対に着ないような服を身につけたくなるとか、女性であれば、普段とは違う色のメークを使ってみたくなるとか、そんな前向きな気分にさせてくれるのもカバー曲ならではかな。

あと1つ。これはMCでも言うことなんですが、たとえ数十年前の曲でも、「良い曲」というのは歳をとらない(!)ということ。まるでダイヤモンドのように、全く輝きを失わないんですよね。その上、その曲を演奏する人まで輝かせてくれるというオマケつき。 

やっぱり「音楽の力」はすごい!