消え行くもの

少し前、けっこう若い人が「カセット・ウォークマン」を電車の中で使っている光景を見かけました。今や死語になりかけているカセットですが、まだ使っている人がいるというのは嬉しかったなぁ。最近の音楽モノはほとんどがデジタル化していて、しかもプレーヤーは小さくなる一方。そして、容量やらスピードは増すばかり。僕も、もちろんデジタルから恩恵を受けている1人ですが、カセットだけではなく、そのうちCDディスクすら消え去る運命にあるような予感がして、なんか寂しい気分がしてしょうがありませんねぇ(笑)。世の中、日々進化して便利になることは良いことなんでしょうが、それに反して、愛着を感じているものがどんどん消えて行くのは、なんか寂しいですね、ほんとに。建物にも同じことが言えるのかな。古きよき建物が醜いマンションに建て変わったり、乱開発でどんどん山や緑が削られたり・・・何十年、何百年の歴史が一瞬にして破壊されるさまは見るに絶えない感じですよね。

そんな中、1つ僕が「昔」にしがみついているものがあります。それは、電動カミソリ。と言っても、単2電池で動く、丸くて細長い懐かしいタイプのもの! じつは、数十年前から使っていた“愛着品”が、とうとう寿命をまっとうして動かなくなったので、駄目元で家電量販店へ探しに行ってみたんです。すると、なんと同じ型番の新品があるではないですか! デジタルものの隅っこで、こんなアナログな一品とめぐり合えるとは思いもよりませんでしたが、とにかく嬉しかったなぁ。ただ、さすがに替え刃は製造されていないようなので、使い捨てっぽい感じになってしまうのですが、前回の「持ち」から考えると、かなり長い付き合いになりそうです(笑)。

僕は、やっぱり電気製品でも“アコースティック”が好きなんでしょうね!