バンコク~インド・ツアー記(5)

夜中に、次の目的地、インドのバンガロールに無事到着。けっこう税関が混んでいたけど、スムースにゲートから出られた。荷物も無事。テロ警戒のためか、マシンガンを手にした警備員の姿が目につく。さっそくルピーへの両替(日本では無理)を済ませ、待っているはずのタクシーの運転手さんを探す。と思いきや、ゲートをすぐ出たところには、制服を着た高級そうな車の運転手の人しか見当たらず、しばし「あれ~?」状態。すると、その中の一人が、「一般の出迎えは建物の外ですよ」と知らせてくれた・・・と思う(笑)。なぜかと言うと、かろうじて彼のインド訛りの英語が聞き取れた感じだったからです。なんか、この先、リスニングで苦労しそうな予感がして、目が覚めた思いがしました。正直なところ、少し英語ができると言っても、しょせん僕にとっては第二言語・・・ちょっと心配(汗)。

で、とりあえずホッとして外に出てみると、夜中だというのに、沢山の出迎えの人でごったがえしていました。名前を書いたボードを順番にたどっていくと、やっと「Masa Sumide」に行き着き、心の中で万歳三唱~! 思わずニコっ! よかった~(笑)。右も左もわからない土地では、やっぱり不安な気持ちはつきもの。この後、彼の車に乗って市内のホテルへ直行。第一印象は景色ではなく、車のクラクション! これがスゴイ! あらゆる角度から「プー、プー」の連続で、どの車も「そこのけ、おいらが通る」状態。センターラインもあってないようなもの(笑)。

バンガロールの小さなホテル40~50分くらい乗ったあと、市内のど真ん中にある小さなホテルに到着。料金を払う段階になって、「駐車場のお金を出せやらチップを出せ」などと、カマをかけてくる運転手。幸い、大体どれくらいかかるのか事前に聞いていたので(タクシー・メーターがついてない!)、それにちょこっと上乗せして渡すと、さらに何とか言ってお金をもぎとろうとするので、「これでも十分すぎるのは知ってるし、チップも十分はいってるぜ! え~っ?」的な言葉遣いで言うと、おとなしく帰っていった。いやはや、えらい所に来たなぁ、というのがこの時の正直な感想でした(笑)。

ホテルのシャワールーム翌朝、表通りの車のクラクション音で目が覚める。かなりうるさい。さっそく旅の疲れと汚れを落とそうとシャワーをあびる。バスルームには、なぜか、大きめのバケツと小さな風呂オケが置いてあった。一瞬、何のため(?)と不思議に思いましたが、すぐに、「あっ、これは水の節約のためだ」とピ~ンときました。案の定、このバケツ一杯のお湯で身体も洗えましたし、頭も洗えました。このちょっとした経験で、改めて、僕らがいかに水を無駄使いしてきているか、考えさせられたのでした。

つづく・・・

バンコク~インド・ツアー記(4)

バンコクのタクシー今日、11月2日はバンコクからインドのバンガロールへ向かう日。フライトまで時間があるので、チェックアウト後、関係者とホテルの周辺散策とランチへ。もちろん、スンハくん軍団も一緒。まず、『パラゴン』という商業施設へ行き、ウインドーショッピングやらあてもなくブラブラ。月曜日とは思えないほど活気がある。道路にはピンク色のタクシーやら、タイ名物の三輪車タクシー(トク・トク)がところ狭しと走っている。さりげない風景だけど、タイ独特の感じがいい!

回転しゃぶしゃぶ?昼食は、スタッフが気をつかってくれたのか、和食の「しゃぶしゃぶ」ということになり、その店へ直行。でも、入店と同時にちょっと妙な雰囲気に気づく。なんと、そこには回転寿司のごとく、しゃぶしゃぶの材料がお皿にのってコンベーヤー・ベルトで回っているではないですか~。たしかに、自分の好きなものをいちいち注文しなくても、さっと取れるので便利ですが、僕としては、やっぱり鍋とともに出てきて欲しい気分でしたねぇ(笑)。味もちょっと変わった感じでしたが、「所変われば品変わる」の言葉どおり、違いを楽しむことにしました。

この後、「空港へ行く途中に、タイ式マッサージのいいところがありますので、ご招待しますよ」ということで、僕とスンハくんのお母さんとで向かう。思えば、若~いスンハくんにマッサージなんていらないよね(笑)。で、そこで一時間、疲れた筋肉をほぐしてもらい、リラックスした気分のまま空港へ。滞在は短かったけど、いつも「別れのとき」はツライもの。みんなに温かく見送ってもらいながら、後ろ髪を引かれる思いでチェック・インを済ませました。

flight infoさぁ、次はインド! 初めて行く国。しかも、いくら考えてもイメージ的に「ソロ・ギター」と結びつかない。はたして何が僕を待っているのか・・・と期待と不安が交差するなか、20:50発のタイ航空で機上の人に。フライト時間は3時間強。到着予定時間は、現地時間の23:15分。予定では、バンガロール空港で予約してもらっているタクシーが僕を待っているはず。もし、いなかったらどうしよう、という一抹の不安はかくせないけど・・・

つづく・・・

バンコク~インド・ツアー記(3)

昨夜(といっても25:30頃)、「じゃあ、明日はお昼の12時にフロント集合ね」と確認しつつ、市内観光へ行くメンバーと別れた。部屋に戻り、疲れていたせいもあってか、そのままバタンキュー。これが“問題”の始まり・・・次に起きたのは電話の音が鳴ったとき。思わず、時計を見る。ん、針は5時前をさしている。「誰やねん、こんな朝早くから電話かけてくるんわ」とムッとしながら話し出すと、相手はスンハくんの通訳さんのDさんで、「Masaさん、何をしてるんですか~!」とキレイな英語でいきなり言われ困惑・・・何をしてるんですかって、寝てますけどぉ、とか口ごもっていると、「みんな心配してましたよぉ。どこへ行ったのかって。今、観光から戻ってきました」と???の回答。まだ、この時点で僕の頭の中は?状態で、とりあえずカーテンを開けに行ってみた。そしたら、なんと外は明るい! ここで納得。そうか、夕方の5時前かっ、と(笑)。そうです、不覚にも14時間近くも寝てしまったんです! あちゃあ~。しかも、部屋をDさんと変わっていたので(スンハくんと同じ階にいたいという理由で)、その部屋に電話をかけても出るはずがないんですよね。いや~、それにしても、何年ぶりかなぁ、こんなに寝たのは・・・お陰で、体調はいい感じ(笑)。

この後、スンハくん軍団と19:00に夕食へ出かける。もちろん、最初の話題は、僕の「寝過ごし問題」。みんなに「ごめんね」と言いつつ、観光写真を見せられ、すごく悔しい思いをする(笑)。なんか、ボートに乗って川を渡りながら観光してきたようで、タイ独特の景色などが次から次へと出てきて、すごい損をしたような気分でした~。しかも、写ってるメンバーの顔が楽しそう! まぁ、いいか。次の機会に・・・と、自分で自分を慰めておきました。

タイで一番高いビル食事のあと、眺めのいいところへ行こうということで、タイで一番高いビルのBaiyoke Sky Hotelへ徒歩で向かう。途中、ナイト・マーケットのど真ん中を通り抜けながら、昼間に撮れなかった写真をガンガンとる(笑)。

キレイな夜景スカイ・ホテル到着後は、85階だか87階にある(記憶が薄い)展望台へ直行。すばらしい眺め! しかも、ここには一歩外に出れて、回転式のデッキがあるんです。高層階で感じる風は格別でしたねぇ。ちなみに、写真の中央下に写っている赤いVマークが見えるビルが、僕らのホテルです。

誰やねん!?中へ戻ると、それなりに楽しめるものが置いてあったり、飾ってあったりして、飽きませんでした。スンハくんとは、まるで親子のようにはしゃいでいました。お母さんもDさんも楽しそう。ので、僕もついついノリすぎて、こんな姿になってしまいました~(笑)。 

新しいお友達?最後の画像は、「やっぱり建物が高いと宇宙から変な生き物が来やすいのかなぁ」という一枚。なぜか、親しみを感じてパチリ! 後ろの番号は階数です。

つづく・・・

バンコク~インド・ツアー記(2)

スンハくんと朝食。「父性本能」を刺激されます!バンコク初の朝食は、トーストとエビ焼きめしという妙な(?)コンビネーション。ホテルの担当者がすごくやさしくて感激! 献身的な心遣いに、気分よく一日のスタートが切れた。国は違えど、やっぱり基本は人間そのもの。相手に優しくしてもらえば、こちらも優しくなれる。だから、いつも優しい心を保ちたい―という単純な“人生の法則”に感心しながら、会場のセントラル・ワールドへ出発。それにしても、スンハくんは可愛い! 限りなく“父性本能”を刺激されます。ただただ、真っ直ぐに育って欲しい(!)と願うばかり。

会場のロビーに集う関係者会場は、巨大なショッピング・センターなどが入るビルの中にあるのですが、赤系のシートがクールな感じのホール。1、000人以上は入るのかな。この日の出演者は、僕の他に、ジョー・ロビンソン、マイケル・フィックス、アダム・ラファティー、地元ギタリストのブーンチョブ、ゲストとしてスンハくん。そして、メインは、もうギター1本で世界制覇したといっても過言ではない、トミー・エマニュエル。フェスティバルのタイトルは、『バンコク・アコースティック・ギター・セレブレーション 2009』。

サウンドチェックは10時過ぎくらいから始まったのですが、音のほうもいい感じでした。このあと、タイの有名なギターサイト「ギタータイ・コム」のインタビューを受けました。けっこう会員が多いらしく(たしか、70、000と聞いた)、ここにもギター好きがいることに、思わずニコッ(笑)。取材終了後、ホテル(同じ複合施設内)のチェックインまで少し時間があったので、しばし、ビル内をスンハくん軍団と散策。昼食は、「そら~、タイといえば『トム・ヤンクン』でしょう」で一致して、フード・コートでゲット。スパイスがきつかったけど、やっぱり本物はう・ま・い!

フェスの開始は15時だったのですが、僕は二部のほうの出演だったので、会場入りは17時。ロビーでも催しものがあったりと、いかにもフェスティバルという賑やかな感じがグ~。

本番では8曲演奏してきました。モニターの位置とか音量がリハと違うというアクシデントで、正直やりにくかったのですが、お客さまに温かく迎え入れていただいたお陰で、気分よく自分の担当部分を終えることができました。さっそく、その模様の一部がYouTubeにアップされていますので、ご覧ください。曲は、♪Spider
http://www.youtube.com/watch?v=wEfJiLHct7M

僕のあと、ジョー・ロビンソンくん(まだ十代!)が登場したのですが、抜群にうまいのに感心しきりでした。先に演奏を終えていたマイケルは、「彼は大胆不敵で、すごいヤツ」と僕と同様、口あんぐり状態でした。彼はエレキも弾くらしく、トミーの後継者No1と言っても間違いないでしょう。

で、大成功に終わったフェスの打ち上げは(夜中前くらいから始まった)、55Fにある見晴らしのよいバー。高層階からの眺め、しかも屋外に出で見る夜景は、言葉にできないほど美しかった! 気持ちよくお酒に酔いながら、「明日はバンコクの市内観光かぁ」と心が躍る・・・でも、朝起きて、とんでもないことが起こるのでした???

つづく・・・

バンコク~インド・ツアー記(1)

10月30日(金)―バンコク出発当日。東京のホテルをチェックアウト後(10時!)、4時間ほど時間をつぶす必要があったので、運動をかねて渋谷まで歩くことに。以前、この近辺に住んでいたことがあり、景色をみながら「あ、そうそう、このビルあったなぁ」とか懐かしい感じに浸ることができました。途中、カフェに寄って遅めの朝食。2階の禁煙席へミルク・ティーをトレーにのせて運ぶ途中、なんと、階段でつまづき膝を強打! でも、なんとか飲み物にしがみつき、三分の一ほどこぼしただけで済む。ん~、「なんかイヤな予感・・・」と、一瞬心がくもった~(笑)。

それにしても、渋谷の変わりようにはびっくり。まぁ、何十年振りの散策だったので当然かな。喜んでいいのやら、悲しむべきなのか、ちょこっと複雑な気分でした。ついでに、昔、所属していた事務所があったビルにも行ってみましたが、このビルだけは、そのまんま! 一気に「当時」がよみがえってきて嬉しかったなぁ。 

この後、成田空港へNEXに乗って向かう。新宿駅のホームが遠いのにはまいった~。ギター(ハードケース)+スーツケース+バックパック(パンパン状態)+ショルダーバック(これもパンパン状態)が、ずっしり重い! 肩にくい込む。でも、小分けしたかいがあり、成田のチェックイン・カウンターでの計量でオーバーはなく、セーフ。よかった~(笑)。ただ、機械のチェック・インというのは好きになれないなぁ。便利なんでしょうが、僕は「人対人」の“古い形式”のほうが好きですねぇ。それに、人の扱いが雑になってきている点も気になります。そんなことを思いながら機上の人へ・・・アナウンスによると、フライト時間は6時間少々ということ。もっとかかるのかなぁと思っていたので、少し得した感じ。この時点で現地の温度は「32度!」。ワオ~(笑)。

初日に宿泊したバンコクのホテル 夜のフライトだったので、バンコク着は夜中。でも、む~っと暑い! 長袖のTシャツがべっとり吸いつく感じ。税関が混んでいたこともあり、ゲートの外に出た頃はすでに25時近かった。で、迎えに来てくれたスタッフと無事に会えて、そのままホテルへと思いきや、「じつは、今回のフェスのスペシャル・ゲストが間もなく着きますので、しばし待ってください」とのこと。「ん、誰やろ?」と急に気になり始める。好奇心旺盛の僕としては、ゲートへ戻って待つことに。すると・・・出てきた瞬間に分った! そう、チョン・スンハくん! 韓国の天才ギター少年。今回は、お母さまと通訳の方と一緒。再会をすごく喜んでくれた。この後、そのまま近くのホテルに直行。翌朝の朝食の時間をきめて、それぞれの部屋へ。コンサート会場への出発は9時。

つづく・・・

バンコク~インド・ツアー記 / プロローグ

今回の旅の出発日は10・28。まず、奈良へ『アリス』のコンサートを見に行ってきました。ひょっとすると、もう見れないのでは(?)ということで、飛んでいきました。といっても、無理をお願いしてチケットを準備していただいたのですが。

奈良公園の鹿で、開演まで少し時間があったので、とりあえず奈良公園で鹿とたわむれることに。聞くところによると、ちょうどオス鹿の発情期ということで、刺激しないように遠くから写真をとったりして(怖いので!?)、つかの間の観光気分を味わいました。この後、会場へ向かい、メンバーの皆さんとスタッフの方々に挨拶し、超満員の客席につく。コンサートは、会場とステージが一対となったすばらしいものでした。途中、ライヴレコーディング(新曲?)のコーナーがあったりして、さらに客席とステージが近づいた感じでした。ライヴ後、楽屋に再度お邪魔して挨拶をしてきました。それにしてもスタッフの皆さんの若いこと! 思わず、「あれから時が流れたんやなぁ」と、当たり前のことに驚いたり・・・うれしかったのは、なかには数十年前に一緒に仕事をしたスタッフもいて、僕のことを覚えてくれていたこと。あと、核になるスタッフの皆さまは、ずっと一緒に行動してこられていることなど。つながりの強さにあらためて感心しきりでした。この後、きんちゃん(矢沢透)と打ち上げで盛り上がりました。話した内容はナ・イ・ショ(笑)。

Ebisu45にて翌日(10・29)は、恵比寿(東京)のEbisu45という楽器屋さんでの企画ライヴ。各社のプリ・アンプをお客さまの前で試奏するというもの。今回の相棒は「いちむら まさき」。この時にも話したように、僕は以前、「なんで、アンプ(PA)の前にさらにアンプがいるの?」と不思議でしょうがありませんでした。が、このプリ・アンプやらを使うのと使わないのとでは、かなりの差があるんですよね。とにかく音がよく(太く)なるんです。実際に、この日のライヴでは、それを実感してもらえたかなと思っていますし、このちいさな機械に投資することの重要性も認識していただけたかなと思っています。詳しい内容に関しましては、後日、『アコースティック・ギター・ブック30』(シンコームック』に掲載される予定ですので、ぜひ、ご一読くださいね。で、ライヴ終了後は、ファンの皆さまと一緒に打ち上げ。ここで、皆さんから「バンコク、インド・ツアー頑張ってくださいね!」と励まされる。

で、その言葉を胸に、翌日(10・30)、成田空港からバンコクへ旅立ちました。

つづく・・・

無事帰国!

三週間の長旅から先ほど戻ってきました。いや~、疲れた~~。でも、元気ですのでご心配なく! ツアーの詳細は後日ということで、しばしお待ちくださいね。写真もたくさん撮ってきましたので、できるだけ、アップしたいなと思っています。

今日は、一日ぼんやりと過ごします。

無事に日本に戻れて、よかった~。さぁ、日本食、食いまくるでぇ~!(笑)。