ドイツ・ツアー記 (6)

11月11日(火)】今日は、ピーターの地元・オスナブリュックでのコンサート。さすがに、朝食に間に合うように起きれなかった。が、11:00前に、なんと、イヴギニーがトレーに朝食を乗せて部屋まで届けてくれた! 彼の優しさと気配りに感激!
サウンドチェックが17:00~ということで、しばし、フリータイム。ランチは「米食べたい病」が出て、例の中華料理屋へ。すっかりお馴染みさん気分(笑)。メニューに四川風エビ料理とあったので(と思う)、すかさず注文。が、たしかにエビは入っていたけど何か変・・・ケチャップで煮たようなものでした。でも、腹いっぱい。食べれるときに食べとかないとね。次、いつ食べれるか分からんから(笑)。

会場のルーサー・ハウスはいい感じ。こんな建物を所有するピーターは大したもの! でも、維持費が大変とか、ちょっとボヤいていたけど、彼のギター音楽をサポートする強い意志・情熱には敬服します。すばらしい! サウンドチェックは問題なく終了。しかし、本番が始まったと同時にすべての生マイクの音が出ないというトラブル発生。けっこう、ピーターは焦っていた様子。僕のはライン出力だったので事なきを得たのですが、結局、クラシック・チームとピーターは生音でいくことに。これが、けっこう好かった~! 音量はもちろん足らないんですが、ギター本来の音が聞けて、満員のお客様も不満はないようでした。トラブルのほうは、休憩中に無事に解消され、二部のほうは通常の感じで進行できました。終了後、徒歩でホテルへ戻る。

11月12日(水)】今日はMulheimへ移動&ライヴ。14:00出発。手元の地図にのってないので、聞いてみると、エッセンというところの近くらしい。今日も朝食に間に合わず、とりあえず、11:00のチェックアウトに荷物をフロントに預けて外出することに。オールド・タウンへ向かう。ランチはベジタリアン・ラップとコーラ。そして、途中、カリフォルニア・ロールを売っているところを見つけたので、試しに買ってみた。見た目はいい感じだったけど、変な色のワサビが入っていたのと、米がべチョ~っとしていて糊みたいだったのが気味悪かった(笑)。その後、ぷらっと立ち寄った本屋で英語のペーパーバックの安売りを発見。種類は少なかったけど、なんと、欲しかったものがあった! さっそく購入。そして、スターバックスで休憩。

今夜の会場は、「ほんまに人が来るんやろかぁ」という場所にあって、ちょっと不安でしたが、大盛況。今夜もPAは手持ちのもの。スピーカーの位置が僕に近かったので、音も聞きやすく、すごくやりやすかった! その分、演奏の質もよかったと思う。休憩中、会場のスタッフの若い女性が興奮した様子で、「CDにサインください」と尋ねてきてくれました。僕の音楽をすごく気に入ってくれたようで、ちょっと緊張気味な感じでしたが、僕としては悪い気はしなかったなぁ(笑)。

この夜の食事は、楽屋へテークアウトのピザ。ちょっと、うんざり気味。ライヴ後、明日のドレスデンが遠いということで、ケッセルという町まで移動することに。モーテル到着、25:00過ぎ。

11月13日(木)】今日は、Dresdenへ移動&ライヴ。10:oo過ぎに出発。途中、メキシカン料理店でランチ。ボリートーを注文。うまかった~! 刺激が欲しかったので、チリ・ソースぎんぎんでいきました。ホテルに16:00頃チェックイン。17:00、会場へ出発。

会場はクールな感じ。けっこう沢山のアーティストが来ているみたいで、楽屋にはポスターなど一杯飾ってあった。本番はほぼ満員。よく聴いてもらえました。でも、疲れはピーク・・・なぜか、自分の出番にツライ状態になってしまう巡り合わせになる。楽屋で何人かミュージシャンと出合った。ひとりはアメリカのオレゴン州から来ていた方ですが、ダグ・スミスと知り合いだということで、このめぐり合わせに、お互いに「世界は狭いですねぇ」のひと言。 

帰りのバスの中で、イヴギニーが、「じつは、昨夜、赤ちゃんが生まれたんです」と報告。さっそくホテルの部屋へ戻って、ピーターの部屋でお祝いの乾杯!

ちなみに、今夜もきちんとした夕食がとれなかった・・・本番前のホットドックのみ。今夜の日記の最後には、少し大きな字で、「もう、ハム、ソーセージは勘弁してくれ~っ」と書いてある(笑)。

ドイツ・ツアー記 (5)

11月8日(土)】今日は、旧東ドイツのMagdeburgでライヴ。距離が遠いということで、10:00出発。その前に、しっかりと朝食をとる。昨夜、ピーターから「このホテルの朝食はいいよ」と聞いていたけど、あまり期待せずにレストランへ行ったんですが、なんと、その種類の多いことと、食材の鮮やかな色とでビックリ。思わず、写真を撮ってしまうほど。胃袋もごきげん状態でツアー・バスに乗車。現地のホテルへは15:15頃到着。チェック・イン後、しばし休憩。ちょっと外出してみた。近くにマグデブルグ中央駅があったので、まず、そこへ。古い独特の建物ですが、近辺の雰囲気はなんとなく暗い感じがする。しばし散策して町の雰囲気を味わったんですが、ちょっとおとなしめの印象。

今日の会場は教会。リハでは、全員、エコーの跳ね返りで苦労する。でも、僕的にはけっこういい感じのリバーヴ感だと思いましたねぇ。幕が開くと、満員! 400名以上は入っていたのかな。しっかりと拍手をもらえたし、楽しかった~。アンコールのイヴギニーのロシアの歌では、会場からロシア語で「よっ、まってました~」的な掛け声がかかる。もちろん、楽屋で彼から聞いた話ですが。ここでもロシア語を話す人がいたことで、彼はご機嫌でした。

ちなみに、今日の日記の最後には、一回目の「日本が恋しい!」と書いてあります(笑)。

11月9日(日)】今日は移動日で半日オフ。ホテルを10:30頃出発しオスナへ向かう。13:00過ぎに到着。ドイツ入りからずっと宿泊していたホテルが懐かしい感じ。部屋も同じのをキープしてもらっていたので、なおさらかな。そろそろ一人になりたい時期だったので、そのまま、一人でランチへ。でも、どこにしようと探すのが面倒だったので、マックで済ます。その後、スターバックスでチャイラテというコース。時間がゆっくりと過ぎていく。今日、ライヴがひと休みなのが、丁度、いいタイミングかな。明日から、またレンチャンやし。

夜は、ピーター宅に招待され、奥さまの手料理に舌鼓をうつ。彼女はフランス人ということで、フランス料理だったのですが、コテコテのものではなく、すごく美味しかった~! ここでもイヴギニーは“いい味”を出していた。なんと、肉がバラバラにならないように結んであったタコ糸みたいなものまで食べてしまった!? 冗談ぬきに! ほんとうに憎めない、そして、冗談のわかるナイス・ガイだ。その上、彼はウオッカの一気飲みで、テンションも上りっぱなしだったようです。僕のほうは、途中、めまいに襲われ、そのままホテルへ戻った・・・寝不足とストレスのせいかなぁ。アルコールも控えているのに・・・

11月10日(月)】今日はOldenburgでのコンサート。今回では一番北に位置するところ。オスナからは100km強ということで、15:00出発。16:30頃到着。まだ会場は閉まっていた。ので、近くのカフェで休憩。僕はコーヒーを飲まないので、紅茶(ミルクティー!)とケーキ。今日もPAは持込。そうそう、これまでも持ち込みでセットアップ/片付けの場所があったんですが、これが、けっこう面倒。爪とか指をケガしないようにやるのはもちろんのこと、けっこう重いので大変。もちろん、全員でやるのですが、やっぱりキツイ・・・

今日の会場はすごく客席が近い。そして、客席の角度が急なので、親近感があっていい! プラス、満員! ライヴの受けも良かった。でも、僕の体調はすぐれない・・・それに、二部のほうはセッションなどがあるので、チューニングの時間がとれないということで、通常のA=440で調弦する必要があるんですよね。常に半音落ちでチューニングしている僕にとっては、握力の弱さもあり、けっこう厳しかったぁ。

PAの片付けが済んで、ホテルに戻ったときは、すでに25:30。今日も長~い一日でした。

つづく

ドイツ・ツアー記 (4)

11月6日(土)】いよいよツアー開始。初日はオランダのEnschedeという所。ドイツ到着以来ベースとなっているオスナブリュック(以下、オスナ)から100km前後ということで、日帰り。出発は15:00。その前に、3人でランチへ。スープがおいしかった~。時間通り、ピーターの事務所のインゴーくんがツアー・バス(ベンツ!)で到着。日本人同様、ドイツ人は時間を守ってくれるのが嬉しい。彼は、運転、オープニング・アクト、CD販売など雑用も含めてツアーをサポートしてくれました。アメリカに住んでいたのか、英語は米語系で完璧にバイリンガル。うらやましい~! 

一路、高速道路(アウト・バーン)を通ってオランダへ。スピード制限なしの道路の高速レーン(左側)はものすごいスピードの車が行きかう。おそらく250km以上かもしれない。僕らのバンでも150km前後は出てるはずだけど、それが60kmくらいに感じてしまうから恐ろしい・・・新幹線なみです、ほんとに。とくに、フェラーリ系、BMW系の車は速い! 風圧で乗ってる車が揺れるんですから。国境でチェックでもあるのかなと思いきや、なんにもなく、気が付いたらオランダへ入ってました(笑)。あったのは、昔、国境のチェックポイントだったというゲートのような建物の名残りだけ。海に囲まれた日本では想像しにくいですが、地続きで国がつながっていて、しかも、行き来自由というのはなんとも便利。オランダに入ると、少し風景が変わった。標識とかの文字が違うのは当たり前ですが、家の感じとか、木々の感じが少し違うくらいで、あまり“外国”へ来た感じはしなかった。

さて、今夜の会場は立派なホールの小ホール。サウンド・チェックでは、僕以外の人たちが生マイクを使うということで、出音のボリュームを合わす必要がありました。ので、会場のわりには小さめの音で行かなければなりません。僕の場合、表の音(ホールからの音)をステージ上で聞きながら演奏するタイプなので(モニターの音は好きではない)、ある程度のボリュームが必要なんですが、4人で1つのチームなので、ここは大局的な見地に立って、周りに合わすことにしました。
今夜の入りは6割り程度で、お客様の年齢層も高かったけど、すごく好いお客様でした。最後はスタンディング・オベーション!

ちなみに、コンサートの構成ですが、一部の最初にインゴーくんが1曲オープニングで演奏→イヴギニー3曲→僕3曲→ヴェロニク3曲→ピーター3曲→休憩→二部の最初はイヴギニー1曲→僕1曲→ヴェロニク1曲→ピーター1曲(全員居残り)→もう一度別曲で繰り返し→僕+ピーターのセッション→イヴギニー+ヴェロニクのセッション→3人でのセッション→アンコール(イヴギニーのロシアの歌を3人でサポート)という流れでした。以降、ツアーはこの形で進行。

ホテルへ戻ったのは、12:30 am・・・

11月7日(金)】今日はKolnへ向かう。ひとまずチェックアウト。3日後にまたオスナへ戻ってくるということで、フロントに荷物を預けて、身軽な感じで13:00に出発。現地到着後、チェック・イン。そして、しばし休憩。ピーターとのセッションは♪Summertimeに変更。サウンドチェックではいい感じだった。今夜も6割り程度の入り。と言っても、僕が日本でやるライヴよりはるかに多いです(笑)。でも、しっかりと静かに聴いてもらえるので嬉しい。この点は日本と似ているのかな。アンコールは2回もあった! ホテルへ戻って、地下のバーで軽く打ち上げ。ドイツ・ビールとツマミで盛り上がる。ピーターも機嫌よく、ジョークの連発。そして、それぞれ一発芸&かくし芸の披露となり、部屋に戻ったときは、すでに25:30となっていました!

つづく 

ドイツ・ツアー記 (3)

11月1日(土)】10時くらいまで眠れた。でも、朝食に間に合わず、昨日からとっておいたバナナ1本で済ませる。今日のスケジュールは夕方の取材のみ(現地のギターマガジン)なので、しばし“ひとり観光”へ。ヨーロッパそのものの古い町並に絵心をくすぐられる。メインの商店街は土曜日とあって混みあっていたけど、歩くのが気持ちいい。美人が多いのには、思わず口があんぐり・・・ランチはマックで済ませた。ホテルで貰った市内地図を手に歩いていたけど、やっぱり、方向音痴の僕としては途中迷ってしまった(笑)。でも、小さな町なので、歩いているうちに振り出しに戻って、思わず「♪ラッキー!」。

その後、フェス会場へ取材を受けるため徒歩で向かう。写真のほうは昨夜のライヴ/ライブ後に撮影していたので、今日は話のみ。影響を受けたギタリストの話とか、ギターが好きになった経緯などなど聞かれました。2ページくらいは割いてもらえるそうです。この後、会場のロビーの楽器展示会場をブラブラ。奥のほうで、アルバート&ミューラーのブースを見つけ、担当者と挨拶を交わす。昨夜のライヴを見てくれたようで、「よかったよっ!」と、きつめの握手を受ける。僕が、ドルフィン・ギターズさんを通じてA&Mギターを弾いてることなどなど、つかの間の談笑。

ホテルに戻って、しばし練習。市内を歩き回って刺激を受けたせいか、急に、♪Precious Moments(廃盤のCD “Shadow Dancer”に収録されている)がよみがえってきた。「ん~? これは、何かのお告げか?」ということで、一気に、感情のおもむくまま再アレンジ。ヨーロッパの色を意識的に出そうとしたわけではないけれど、環境のお陰か、自然とその方向へ行ったようです。ぜひ、次のライヴでお披露目したいなぁ。夕食は町へ出るのが面倒だったので、また例の中華へ。唯一、「カレー」と表示してあったのを注文したら、たしかにカレーっぽいけど、妙な色のものが出てきた(笑)。でも、こういうのも楽しみのうち。気にならない。

11月2日(日)】今日から5日まではオフ! フェスの方は今日が最終日。6日からは連続のツアー(The International Guitar Night Tour)に入るので、しばし、気分転換のため観光客気分に浸ることに。お気に入りのオールド・タウンへ向かう。スターバックスを見つけて、僕の好きな“チャイ・ラテ”でリラックス。町は日曜日のせいか、人が多かったけど、活気があってよし! けっこう歩き回った後、ホテルへ戻り、しばし練習&休憩。夜は、ここのところしっかりとした食事をしていなかったので、またオールド・タウンへ出かけて、ちょっと高めのレストランへ。夜景がすばらしい! 高い建物がないのがいい。ビール2本、サーモンのグリル+海老+ほうれん草を注文。うめっちゃ、うまかった~! 久しぶりに「食った~」という感じでした。

11月5日(水)】昨日買った英語のペーパーバックのスリラーが面白くて、ランチに外出することなく読むことに。そして、明日からのツアーへ向けて練習。ここ数日間けっこう時間があったせいか、なんと、新曲が2曲もできた~! 1曲はミディアム・テンポのグルーブ系で、もうひとつはバラード。この後、1曲目のほうは何回かツアーで演奏することに。僕的には気にいっていますぅ。ピーターから電話が入る。彼と話すのは数日ぶり。忙しいだろうと思っていたので、こっちから連絡をすることは控えていました。明日からのツアーの共演者が到着したので、顔合わせ兼セッションの練習がてら、彼の経営するコンサート・ホールのルーサー・ハウス(+オフィス+録音スタジオ)へ来てくれということで、奥様が20:00に迎えに来てくれました。共演者は、ロシアのイヴギニー・フィンケルシュタインとベルギーのヴェロニク・ジレ。二人ともクラシックのギタリストです。「クラシック」と聞くと、なんか、頭が固くで“うるさ型”の人たちかなぁ、という少なからず偏見をもっていたのですが、ごくごく普通のフレンドリーな人たちだったので、ひと安心。まぁ、向こうにしてみれば、日本のマサ・スミデって、どんなヤツやねん、という不安はあったでしょうが・・・(笑)。

で、ピーターとのセッションは♪Tears In Heavenで決定。そして、全員のセッションは♪Mercy Mercyで行くことに。僕としても、こういう組み合わせのライヴは初めてなので、明日からのツアーの展開が楽しみ。

つづく

ドイツ・ツアー記 (2)

10月31日(金)】「オープン・ストリングス・フェスティバル」初日。ホテルの周りが静かなことと、長い移動で疲れていたこともあって、さすがによく眠れた。朝食付きということで、まずは1Fへ。なんと一番乗り! いい感じのおばあさんが笑顔で迎えてくれた。英語が通じない(当たり前)・・・でも、「ダンケ・シェン」(ありがとう)さえ言えれば問題なし。ハム、ソーセージ、チーズ、ゆで卵、ジャム、パン、フルーツ、ヨーグルトといったメニューでしたが、初日なのでおいしく食べれました。この後、毎日、同じメニューが続くことになるのですが・・・(笑)。

朝食後、ホテルの周りを散策。町並みがいい感じ。ベンツとかBMWの高級車が多く行きかう。寒~い。息も真っ白。所々でフェスティバルのポスターを見つけて、ちょっといい気分に。もちろん、カメラに収めました。ホテルの部屋に戻って、少し練習。周りの部屋からもギターの音が聞こえてくる。フェスの出演者かな。じつは、この時点で、まだスケジュールを知らなかったし、主催者でもあるピーター・フィンガーとも話していなかったんです。当然、相手も僕が無事に着いたかどうかも知らない!? ので、Acoustic Music Recordsへ電話。そこでピーターの携帯番号を聞いて、ようやく彼と連絡が取れ、15:00に迎えに来てくれることに。その前に、散策中に見つけた中華料理店でランチ。当然のごとく英語が通じない。汁もののラーメンを注文したつもりだったけど、焼きソバが出てきた。まぁ、ええか~(笑)。すごい量~!

15:00、時間通り、ピーターが自家用車で迎えにきてくれた。顔をあわせるのは、今日が初めて。でも、なぜか、初めて会ったような気がしない。ほどよく会場に到着。けっこう大きなホールで、まだ各ギター・メーカーの展示会場のほうの準備は進行中。リハは順調に終了。音量がホールの割りに小さかったのが気になりましたが、まぁ、現地のやり方に合わすのが一番かな。そう、「郷に入っては郷にしたがえ」か。本番は、ピーターの心遣いもあって、トリをつとめることに。僕的には何番目に演奏しようが気にならないのですが、でも気分は悪くなかった(笑)。が、ステージに出たら、なんと、椅子も変わってるし(リハより少し高い)、座る位置(モニターから遠い)も違うじゃないですか~。 それに、録音用の2本のマイクの位置が、演奏の邪魔になるようなところに立ってる・・・ん、けっこうツラかった~。でも、「プロは文句を言わず、与えられた情況で最高の仕事をする」ということを自分に言い聞かせながら頑張りました。お客様の反応は、アメリカのような直接的なガツ~ンというのはないけれど、静かに聞いてもらえたし、拍手も一杯貰いました。

この夜は、僕の他に5人のギタリストが出演しました。全員、個性のある素晴らしいアーティストでしたが、特に印象に残ったのは、カナダのRyan LeBlanc と南米はチリのAndres Godoy。ライアンは、まさにワンマン・バンド状態で、ハーモニカ、カホーン(箱みたいなパーカッション)、ギターを一緒に演奏するという離れ業が目をみはりました。カホーンに座って右手で叩く、そして、ギターは左側に立てて左手だけで弾くというふうに。一方、アンドレスは、事故に遭って右腕を完全に失っているのですが、ギターを左側に立てて、左手だけで演奏するというスタイル。もう、見事と言うしかなし! 他のギタリスト(イタリア、フィンランド、フランス)も「ただモノではない」人たちでしたし、そんなアーティストと出会えて、触れ合えて、ほんとうに嬉しい一夜となりました。部屋に戻った時、25:30でした。

頭の中でギターの音が交差しながら眠りにつく・・・

つづく

ドイツ・ツアー記 (1)

ん~、久しぶりによく眠れた~。やっぱり、畳の上やないとあかん! それと、米がおいしい! ハム、ソーセージ、肉類、チーズ、ピザ、パン(しばらくは「禁句」)の連続やったから、和食はこの世のものと思えんくらい、う・ま・い! これも、しばらく離れていたお陰で、普段だと当然のものと受け止めていて、特別な感動を感じないものなのかもしれないなぁ。食事面のみならず、やっぱり、何でも距離感が大切ということか・・・とくに海外遠征は、確かに体力的にはキツイけど、色々と考える材料を与えてくれるから、その点でも良かったと思いますねぇ。そうそう、「おかえりのメッセージ」ありがとうございます! 待ってくれている人たちがいるということは有難いこと。疲れも和らぎます。

さて、前置きはこれくらいにして、ツアー記へといきましょう。今回も日記を基に書き綴っていきますね。しばし、お付き合いくださいね。

*** 

10月30日(木)】関空へ向け、新大阪駅発7:17分の「はるか」に乗る。早朝にもかかわらず、関空は円高のせいか、けっこう込み合っていた。早速、ルフトハンザのカウンターへ。いつものように通路側の席が取れたまではよかったけど、なんと、荷物の重量オーバー(12Kg)で、4万円を超える超過料金を請求される!? 1キロごとの追加料金システムらしく、しかもフランクフルトまで長距離ということで、もう払うしか方法はなく、なんとも気が重いスタートとなりました(笑)。そして、機内での「フランクフルトまでの飛行時間は約12時間20分です」のアナウンスにノックアウト・・・長いのは分かっていたけど、これには「フ~」とため息が。よし、ビールでもということで、ビールをお願いすると瓶で出てきた。缶でないところにドイツ人のビールのこだわりを見た気がしました。少し苦めでおいしかったなぁ~! 機内の気圧とかを考えて、アルコールはこの1本だけにしておいた。先は長いから!

予定より少しだけ早く(15:00)フランクフルト空港に到着。気温は5度で小雨。寒いところを飛んできたということで、なんと、飛行機の一番前の出口が凍って開かないというアクシデントがあったけど、急いで出口へ向かう。税関では何も聞かれず、いい意味で、気楽でよかった。最後の出口の要申告・申告なしのゲートには係員が一人もいなくて、放し飼い状態。アメリカと比べると、かなり“自由”な感覚がして、なんともいい感じ(笑)。その足で、目的地のオスナブリュックに電車で向かうため、DB(ドイツのJRみたいなもの)のインフォメーション・センターへ。そこで、電車のスケジュールと一番良い行き方を聞いて、さっそく長距離列車(ICE=ドイツの新幹線)のプラットホームへ向かう。乗り継ぎなどの情報をプリント・アウトして貰ったので(ドイツ語ですが)、それを見ながらの移動となる。時間的には正確で、ほぼ日本と同じ感覚。ただ、電車はすごく混んでいて、乗り換え駅のドルトムントまで、そして、そこから乗り換えてオスナブリュック行きの電車までも満員で座れず、ずっと通路に立ったり/座ったりして行くという状態でした。キツかった~。でも、電車内、プラットホームとも無駄なアナウンスがなく、すごく静かなのが良かった。まぁ、乗り過ごさないように注意は必要ですが。

オスナブリュックに19:21着。ドイツでの最初の買い物はミネラルウォーター。けっこう高い感じがした。タクシーでホテルへ向かう。石畳の路地にある小さくて可愛いホテル。チェックイン後、そく「バタンキュー」で寝てしまった。長~い、長~い一日の終わり。

つづく 

  

無事、ドイツから帰国しました!

あ~、長かった~、そして疲れた~! これまでで、いちばん体力的にキツかったけど、充実したツアーとなりました。途中、体調を崩して、集中力が持たない日々もありましたが(寝不足と不規則な食事の連続で)、今は、ほんとうに「無事に戻ってこれてよかった~」とホッとしています。なんか、身体の奥深いところに疲れが溜まっているみたいで(目の下にはクマができてるし~)、当分はボ~っとする時間が必要かなぁ・・・

で、ツアー報告のほうは、追ってお知らせすることにしますね。

ひとまず、取り急ぎ「無事、帰国」のお知らせでした! 

♪When You Wish Upon A Guitar (2)

When You Wish Upon A Guitar以前からお知らせしています表題の企画CDですが、発売日に関して、当初の予定より遅れて、11月末頃になると連絡を受けました。申し訳ありませんが、今しばらくお待ちくださいね。このアルバムの内容に関しては、10月16日の書き込みを再度ご覧いただければ幸いです。

で、このCD(+インタビュー)が最新の『アコースティック・ギター・マガジン Vol.38』に取り上げられていますので、そちらのほうも、よろしくお願いしますね。

取り急ぎ、お知らせでした~。

もうすぐドイツ

今、ドイツ・ツアーを目前にして、けっこうバタバタしています。それと、来年3月に予定しているカナダのボブ・エバンス(ギター・チャンピオン!)との国内ツアーのスケジュール組みもあって、「あれも・これも状態」で、なんか、せわしない感覚ですが、ひと通り公演場所の輪郭が見えたのでひと安心というところです。皆さん、その節は、またよろしくお願いしますね! 

ちなみに、ボブの最新アルバム”4 on 6″は、先週、カナダの音楽祭でインスト・アルバムの最優秀作品賞に輝いたそうです。すばらしい! で、このCDタイトルですが、ビートルズのカバー・アルバムで、ビートルズが「4」人、ギターの弦が「6」本ということを表しています。つまり、4人の作品を6弦ギター1本で弾いている、ということですね。

あと、先日お知らせしていた、上田正樹さんのライヴへお邪魔する件ですが、12月26日、27日で決定いたしました! 毎年恒例の、横浜はParadise Cafeでの公演に乱入(まじめに!?)いたします。売り切れ必至のライヴですが、お近くにお住まいの方々は、ぜひ、よろしくお願いしますね! この出会いを作ってくれた、滝ともはるさんには感謝~!

・・・ということで、おそらくドイツ前の書き込みはこれが最後になるかもしれません。11月末頃に帰国しますので、それまで、皆さん、お元気で! そして、遠いところにいる僕に「気」を送ってくださいね(笑)。

僕とギターの“二人旅”は続きます・・・

出会い、そして出会い、そして偶然!?

今回の1週間の旅は、信じられないほどの出会いの連続でした! まずは、17日の滝ともはるさんの記念ライヴでの出会い―スペシャル・ゲストの高山厳さん、因幡晃さん、平山みきさんは、昔、僕が所属していた音楽事務所の先輩にあたり、数十年ぶり(?)の再会でした。そして、同じライヴのゲストとして初めてお会いしたのは、大森隆志さん(元サザン・オールスターズ)、桑名正博さん、上田正樹さんでした。あと、ももちゃん(丸山ももたろうさん)とも再会できました。

もちろん、皆さまにお会いできたのは嬉しいことなのですが、一番嬉しかったのは、上田正樹さんと楽屋でセッションできたこと! たまたま楽屋が隣りで、僕とももちゃんと大森さんとでセッションしていたら、上田さんが途中から“乱入”され、そこから大セッション大会となり、僕も上田さんと何曲か一緒にできたんです。いや~、それにしても上田さんの歌声には完璧にやられましたねぇ。ソウルを感じると言うか、ハートはもちろんのこと、身体の内臓にまで響くというか、伝わる深さが圧倒的に違う! 僕も、ギターでそういう音色が出ていればいいけどなぁ、と即座に願った次第。そして、上田さんから「今度、一緒にやろうぜ!」と言っていただいた時は、本当に嬉しかったっ! 12月頃に実現しそうかな・・・

翌日は、名古屋へ移動して、そのあと岐阜の可児市にあるヤイリ・ギターの工房へお邪魔しました。じつは、東京の新星堂さんとの企画で新しくギターを製作していただくことになり(Alvarez・Yairi)、ギターの材やらデザインなどの打ち合わせでした。この規模の工房へ行ったのは初めてだったこともあり、すごく新鮮な感じでした。で、ここでも更なる出会いが・・・なんと、偶然か、ケーブルTVのWOWWOWのスタッフの方々が取材に来ておられて、急遽、僕も取材されることに。でも、めっちゃ普通の格好(オッサン!)してるし、ほっぺたのヒゲも剃ってなかったので「大丈夫かなぁ・・・」状態でしたが、まぁ、久しぶりのTV出演やし、めでたし・めでたしかな(笑)。たしか、来年の2月頃の放送だとお聞きました。

そして、次の日から3日間は、トミー・エマニュエルのライヴ・ツアーのちょっとしたお手伝い。彼とは2年ぶりの再会でしたが、殺人的なスケジュールをこなしているとは思えないほど、元気でした。僕より1つ年上なんですが、僕があのスケジュールで動いたら、おそらく1週間で入院かも(笑)。面白いのは、ますます、彼はギター好きになってきていること。なんと、名古屋から大阪へ向かう新幹線ホームでギターを弾きだしたのにはビックリしました。キオスクの前とかホームの白線近辺とか、入ってくる新幹線に向かって(JRの人に笛をふかれてましたが)・・・そこへ、音響担当のニールがトミーの足元に帽子を置いてお金を入れだし(10円とか!)、これには近辺にいた人たちも大笑い。こういう、ちょっとしたユーモアは人生をラクにするんです。

今回もセッションが楽しかった! トミーのほうから「やろうぜ!」と言ってくれて、昨日の大阪公演の前に僕の部屋でセッション大会。たしか、4~5曲やったと思うけど(ブルースとか、ファンクとか色々)、やっぱり、この人のアイデアの引き出しの多さには感嘆するしかないかなぁ。で、本番では♪Come Together、♪Superstitionの2曲をやりました。セッションだから、キーくらいしか打ち合わせしてなかったんですが、その場でしかできないモノになったのかな? 音楽が共通語で、しかも、それでお互いに会話ができる、というのはすばらしいことだと再確認できたように思います。ライヴ後に、彼が真剣な眼つきで僕に言ってくれたことは、僕の胸に秘めておくことにします・・・。

そして、話は前後しますが、その日の会場へ出発する前に、ホテルのロビーで、なんと、スティーヴ・ルカサー(TOTO)と超至近距離で遭遇! しかも、彼はトミーとは顔馴染みで、トミーを介して紹介してもらえることに。また、ここでも僕を紹介してくれたときのトミーの言葉にはグッとくるものがあった・・・でも、スティーヴは、ライヴ前にすでにほろ酔い状態。別れ際に、トミーに向かって、「ライヴのあと、吐くまで飲もうぜ!」と言ってはりました(笑)。

今回の旅は、まさに、「出会いがあるから僕らは動いているのかなぁ」と思わずにはいられないほど盛りだくさんな内容でした。

さて、次はどんな出会いが待ってるのかなぁ・・・そして、どう動いていくんだろう・・・

***  

Tommy Emmanuel & Masa Sumide playing “Summertime” on YouTube.
Check it out!!!
http://jp.youtube.com/watch?v=wJubNR7VF9E